
担当者:著者情報
看板社長 土田 祐司
コーティング技能研磨士2級
一級ガラス用フィルム施工技能士
カーコーティングは、愛車をきれいな状態で維持するうえで欠かせない存在といえます。ガラスコーティングが主流でしたが、近年では「セラミックコーティング」を施工する人が増えてきています。現存するコーティングの中でも最上級の品質を誇り、仕上がりの美しさや性能の高さを重視するオーナーを中心に人気が高まっています。
気になってはいるものの、「ガラスコーティングと具体的に何が違うのか」「デメリットはないのか」といった疑問や不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。この記事では、そうした疑問を解消するために、セラミックコーティングの特徴やメリット・デメリット、施工店の選び方やお手入れ方法まで分かりやすく解説します。
セラミックコーティングとは
冒頭で解説した通り、セラミックコーティングは現存するカーコーティングの中でも最上級の品質を誇ります。とはいえ、基本的な構造や仕組みはガラスコーティングなど他のタイプと大きくは変わりません。ここでは、セラミックコーティングの特徴を改めて整理しつつ、他のコーティングとの違いや施工料金の目安について解説します。
ガラスコーティングとの効果の違い
ガラスコーティングとセラミックコーティングの違いは被膜の厚みによる「耐久性の高さ」や「深みのある光沢」にあります。セラミックタイプは、一般的に重ね塗りが可能な製品が多く、膜厚は1〜10ミクロン以上に仕上げることも可能です。対して、ガラスコーティングは1層施工が主流で、膜厚は0.3ミクロン前後となるケースが一般的です。
この膜厚の差によって、セラミックコーティングでは深みのある美しい光沢や強力な保護力を体感できます。また、セラミックは金属酸化物や炭化物を主成分とするため、酸性雨や融雪剤といった薬品への耐性にも優れます。こうした耐久性や保護力の差が、両者の効果の違いといえるでしょう。
各コーティングの施工料金
コーティングの料金は「施工メニュー・ボディ状態・車のサイズ」で決まります。ガラスコーティングの場合は5~20万円が相場です。一方、セラミックコーティングは10~30万円が相場となります。
この料金の違いは、単に溶剤が高いだけではなく、セラミックコーティングは被膜が厚い分、施工が難しく商品によっては複数回の重ね塗り工程があります。乾燥にも時間がかかり、誰でも簡単に施工できるものではないため、料金に差が生じます。
セラミックコーティングのメリット・デメリット
セラミックコーティングは最上級の品質を誇り、多くの施工メリットがあります。一方で、施工前に把握しておくべきデメリットも存在します。高価なものを選べば間違いないというわけではなく、車の使用環境や求める効果によって適性は異なります。ここでは、セラミックコーティングの利点と注意点を整理しながら、その特性を正しく理解できるよう解説していきます。
セラミックコートのメリット
セラミックコーティングを施工する一番のメリットが、圧倒的な仕上がりと耐久性を体感できることです。従来のガラスコーティングと比べて形成される被膜が厚く、重ね塗りによる膜厚形成により深みのある美しい光沢が生まれます。保護力も高く、固い被膜が線キズや紫外線によるダメージから塗装面をしっかり守ってくれます。
コーティング性能の比較項目として「耐擦り性能」「耐紫外線性」「耐薬品性」などがありますが、セラミックはすべての面で優れているといえるでしょう。また「高分子構造の柔軟性」や「熱反応性」を活かすことで、加熱によって浅い傷を自己修復できる製品もあります。これにより、美観を長期間維持しやすくなります。
セラミックコーティングは、とにかく見た目の美しさや品質の高さにこだわりたい方や、これまでのガラスコーティングに満足できなかった方におすすめです。
セラミックコートのデメリット
セラミックコーティングの最大のデメリットといえるのが価格の高さです。圧倒的な性能を誇る分、施工価格は10万円前後ガラスコーティングより高くなることも珍しくありません。そのぶん品質や保護性能は確かに優れていますが「テレビの画質を4Kから8Kに変えても、離れて見れば違いに気づかない」ように、誰でも明確に違いを実感できるとは限りません。
また、最上級といわれるコーティングであっても、ガラスコーティングと同様にこまめなお手入れと定期的なメンテナンスは欠かせません。放置すれば、むしろ丁寧に手入れされたガラスコーティング車よりも汚れやすくなり、コーティングの寿命も短くなります。特に青空駐車が前提の場合は注意が必要です。
コストと性能のバランスを重視したい方には、ガラスコーティングの方が適しているケースもあります。
関連記事:ガラスコーティングとセラミックコーティングどちらを施工すればいいの?
セラミックコーティングは後悔しやすいって本当?
セラミックコーティングについてネット上で調べると、性能や仕上がりを支持する声とは別に「後悔した」「意味がなかった」といったネガティブな意見も見受けられます。高性能なはずなのに、なぜここまで評価が分かれるのか、不安に感じている方もいるでしょう。ここでは、そうした声の背景にある理由や、施工前に知っておくべき注意点について解説します。
セラミックコーティングは意味ないといった声がある理由
まず結論を述べると、セラミックコーティングは決して「意味がない」ものではなく、高い保護性能を備えた有効な施工です。「意味がない」「後悔した」といった声が上がる主な原因は「コーティング=施工後はなにもしなくてよい」という誤解にあります。
コーティングは汚れの固着を防ぎ、紫外線などから塗装を守る役割を果たしますが、その効果を維持するには定期的な洗車やメンテナンスが欠かせません。被膜は少しずつ劣化していくため、半年から1年に一度のメンテナンスも必要です。セラミックコーティングの耐用年数は5~7年とされますが、これは適切な管理を前提としたものです。
実際には何もせず青空駐車を続けた結果、1年も経たずに効果を失うケースもあります。こうした事実を知らないまま施工し、「高額を支払ったのにすぐ効果がなくなった」と後悔する人は少なくありません。中には、施工時に「お手入れ不要」と説明されるケースもあり、誤った認識を招く要因になっています。
施工前に知っておくべき注意点
前述した通り、コーティングを施工したからといってお手入れが不要になるわけではありません。効果を長く維持するには、こまめな手洗い洗車が必要です。青空駐車の場合は「1~2週間に1回」、屋内駐車なら「2~4週間に1回」を目安にするとよいでしょう。とはいえ、毎回丁寧に洗車する必要はなく、軽い汚れであれば、上から下に向かって強めの水をかけて拭き取るだけでも十分です。
特に花粉や黄砂は被膜に与える影響が大きいため、早めの対処が重要です。また、半年から1年に一度の定期メンテナンスも欠かせません。そのため、アフターメンテナンスがしっかり用意されているお店を選ぶことが大切です。
”本物”のセラミックコーティングは専門店でなければ体感できない
セラミックコーティングのメリットや特徴について解説してきましたが、これらの効果をしっかり体感するには、専門店での施工が欠かせません。中でも重要なのが、どの店を選ぶかという点です。施工メニュー以上に、お店選びが仕上がりを左右するといっても過言ではありません。ここでは、専門店で施工する意味や、信頼できるお店を選ぶ際のポイントについて解説します。
専門店における施工の特徴
コーティングは、ただ溶剤を塗って乾燥させるだけと考えられがちですが、専門店ではまず「徹底した下地処理」を行います。ボディ表面の不純物を丁寧に取り除き、ライトを当てないと見えないような細かいキズまで磨き上げることで、美しく滑らかな塗装面が整います。
さらに、仕上がりを左右するのは職人の技術だけではありません。純水を使ってミネラル膜を残さない処理や、湿度・温度を管理できる専用ブース、高精度な研磨機器など、設備の違いも品質に直結します。
この差を例えるなら、高度な設備と下地処理を施しただけの車と、簡易的な処理だけで高級コーティング剤を塗布した車とでは、見た目の仕上がりに歴然とした違いが生まれます。表面の美しさや耐久性の差は、誰の目にも明らかです。
専門店とDIY施工の違い
近年はDIY用のコーティング剤も手に入るようになり、自分で施工する人も増えています。専門店とDIY施工の一番の違いは「下地処理」と「施工環境」にあります。前述の通り、コーティングは塗る前の下地処理の段階で美観も耐久性も決まります。施工経験のない方でも、仕上がりの差に気づけるほどです。
また、家庭用の環境では専用の研磨機器や純水設備、施工ブースなどが整っていないため、セラミック被膜の性能を十分に発揮できないこともあります。製品の品質だけでなく、技術と設備の総合力によって仕上がりに大きな差が生まれます。
優良な専門店を見つけるポイント
コーティング専門店の中には、高い技術と設備を備えた店舗もあれば、簡易施工と大差のない対応をしているところもあります。専門店だからといって、無条件で信頼して任せるのは危険です。
まずは、お店のホームページを確認し、施工事例の掲載数や、作業に対するこだわりが明記されているかをチェックしましょう。事例が極端に少なく、施工の説明もないような店舗は注意が必要です。あわせて確認したいのが設備面です。全ての設備が必ず必要というわけではないですが、以下の内容をチェックしてみましょう。
・純水処理装置:純水で洗車することにより、ボディにミネラル分が膜を張るのを防止する。
・各作業ルーム:各作業で施工ブースを使い分けることで、強固な被膜を形成しやすくなる。
・熱乾燥装置:数週間かかるような完全硬化を数時間ほどで完成させられる。
加えて、アフターケアが充実しているかどうかも重要な判断材料となります。これらの情報は、Googleレビューなどの口コミからも確認できます。お店が利用者からの指摘にどう対応しているかも、信頼性を見極めるうえで重要なポイントです。
セラミックコーティング施工後のお手入れ方法
セラミックコーティングの効果を維持し、愛車をきれいな状態で保つには、こまめなお手入れが欠かせません。青空駐車の場合は1~2週間に1回、屋内駐車の場合は2~4週間に1回の洗車が目安です。基本のお手入れは洗車であり、やり方によって仕上がりやコーティングの寿命に差が出ます。ここでは、施工後の具体的な洗車やメンテナンスのポイントを解説します。
水洗いか手洗洗車が基本
コーティング施工車は、ガラス・セラミックに関係なく撥水性能があり、軽い汚れであれば雨水で自然に流れ落ちます。そのため、軽い汚れであれば水洗いだけでも問題ありません。水を強く当てただけで落ちない場合は、中性シャンプーを使って優しく手洗い洗車を行いましょう。
作業時のポイントは「ボディの上から下の順で強めの水をかけること」です。これにより砂やホコリなどの汚れが先に流れ落ち、洗車時にボディを傷つけるリスクを減らせます。拭き取りには、専用のマイクロファイバークロスを使って、力を入れすぎずやさしく拭きあげましょう。
固着した汚れの対処方法
汚れが水分と混ざったまま放置されると、シミ状に固着し、通常の洗車では落としづらくなります。こうした場合は、専用クリーナーの使用を検討しましょう。メンテナンスキットに含まれているケースも多いので、まずは手元にある内容を確認してみてください。
もし専用キットがない場合は、施工店に汚れの状態を伝えたうえで、適切な製品や対処方法について相談しましょう。市販品を選ぶ際には、「コーティング施工車専用」と明記されたものを選ぶ必要があります。成分が強いシミ取り剤などを誤って使うと、被膜を傷める可能性があります。また、指定外の製品を使うと保証対象外となる場合もあるため、使用前に確認しておくことが重要です。
定期的なメンテナンスの必要性
日頃から洗車をしていても、セラミックコーティングの被膜は徐々に劣化していきます。そのため、半年から1年に一度は施工店でのメンテナンスを受けることをおすすめします。メンテナンスでは、専用クリーナーによる補修や、トップ層の再施工、塗装面の微調整などが行われます。
具体的な作業内容や手法はお店によって異なるため、まずは現車の状態を見てもらったうえで提案を受けるようにしましょう。メンテナンス料金は施工店にもよりますが、コーティング施工費用の1~3割程度が相場です。
セラミックコーティングに関するよくある質問
セラミックコーティングの特徴やメリット・デメリットについて解説してきましたが、施工を検討する中で、まだ気になる点があるという方もいるのではないでしょうか。ここでは、セラミックコーティングに関する3つのよくあるの質問に答えていきます。
セラミックコーティングは自分でできる?
セラミックコーティングには、DIY用として市販されている製品もあるため、自分で施工できます。ただし、専門店のような高度な下地処理は難しく、専用の施工設備もないため、仕上がりや耐久性はどうしても劣ります。
また、DIY用の商品は施工のしやすさを重視しているため、成分の濃度が薄めに設定されていることが一般的です。見た目の美しさや長持ちする仕上がりを重視する場合は、専門店での施工を検討した方がよいでしょう。
セラミックコーティングを専門店以外で施工しても大丈夫?
セラミックコーティングは施工が難しく、設備などがそろっていなければ美しい仕上がりにはなりません。そのため、どこでも簡単に取り扱えるものではなく、基本的にディーラーやカーショップではメニューとして取り扱っていません。
取り扱っているお店がある場合は、お店の実績や設備の内容、利用者の口コミなどを見て、本当に依頼しても大丈夫そうか、確認したうえで依頼しましょう。
青空駐車でもセラミックコーティングを施工して大丈夫?
青空駐車場を使用している場合も、セラミックコーティングを施工してまったく問題ありません。ただし「最上級だから」と安心してお手入れをしないままでいると、被膜が弱り効果が落ちてしまいます。数ヵ月放置すると最悪の場合、被膜がなくなってしまう可能性もあります。1~2週間に1回は洗車を行い、定期的にメンテナンスを受けながら効果を維持しましょう。
【四国・香川県】セラミックコーティングの施工なら「カーケアグランツ」にお任せ
セラミックコーティングは、金属酸化物や炭化物を主成分としており被膜が非常に強靭で、重ね塗りできるものが多いため、被膜の厚さがガラスコーティングと大きく異なります。そのため、深みのある美しい光沢が備わり、圧倒的な保護力を体感できるコーティングです。
その一方で、施工が難しく作業に時間がかかることもあり、ガラスコーティングと比べると価格は高めになります。そのため、価格や品質のバランスを踏まえて最適なメニューを選ぶようにしましょう。施工後は何もしなくてよいというわけではないため、注意が必要です。
コーティング専門店・カーケアグランツでは、国内最高峰の設備を完備しており、”本物”のセラミックコーティングにこだわって、下地処理から丁寧に作業を進めていきます。ガラスコーティングも取り扱っており、施工後に関しては、会員様向けに手洗洗車も行っております。アフターケアメニューも充実していますので、四国・香川県でセラミックコーティングの施工をご検討の場合は、お気軽にご相談ください。